はじめに
外国人が多く集住する地域においては、言語や生活習慣の相違等により、その地域に住む外国人と日本人のコミュニケーションが希薄になり、日常生活上のトラブルが発生しやすくなるなどの状況が見られる。
このような状況の下では、外国人が日本社会になじむことができず、犯罪や事故に巻き込まれるおそれがあるとともに、国際犯罪組織等が外国人集住コミュニティに浸透し、外国人が犯罪に手を染めるおそれもある。
警察では、外国人に日本で円滑な日常生活を営むために必要な知識を身に付けてもらうことなどを目的として、外国人集住地域の住民や関係機関・団体等と連携を図りながら、外国人集住コミュニティにおける防犯教室や交通安全指導教室等の各種警察活動を積極的に推進している。
【平成22年警察白書より抜粋】
千葉県の外国人登録者数
政府の対応
政府は、外国人定住者の増加による懸念事項に対し、
- 犯罪対策閣僚会議 ~「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」
(平成20年12月末策定)
- 内閣府定住外国人施策推進室 ~「定住外国人支援に関する当面の施策」
(平成21年1月末策定)
において、「国内の外国人集住コミュニティーが犯罪組織、テロリスト等に悪用されることを防止する」と明示の上、定住外国人支援に関する当面の対策をとりまとめました。日本人と安心して共生できる社会を構築することにより、抜本的な外国人対策になるとしました。
警察庁の対応
警察庁は、政府の施策を踏まえ、「外国人集住地域総合対策の基本方針」(平成21年3月5日付け、警察庁刑事局長ほか関係局長連名の通達)を発出し、
- (1) 外国人集住地域への犯罪組織等による浸透の防止
- (2) 定住外国人に係わる現在又は将来における犯罪誘因の除去
を目的とする対策を推進することにしました。
千葉県の対応
千葉県警察は、外国人集住地域総合対策を効果的に推進するため、平成21年6月1日、「千葉県警察外国人集住地域総合対策委員会」を県本部に設置し、体制を確立しました。
外国人集住地域総合対策の基本方針
~組織を越えた地域の連携による安全・安心な多文化共生社会~
集住対策は、5~10年を単位として行うものではなく、日本に定住する外国人が存在する限り、おそらく未来永劫続いていく施策です。警察の総合力を発揮して長期的な視点に立った対策を推進していくことが必要です。
【実施すべき施策】
- (1)各種警察活動の推進
- 犯罪予防対策・組織犯罪の浸透防止対策・交通安全対策・国際テロリスト浸透防止対策など
- (2)関係行政機関との協調
- 関係機関に対し、それぞれの役割と治安との関連についてを確認するとともに、それぞれが実施する各種取組を一層効率化させるよう働きかける。
- (3)実態把握の推進
- 外国人集住地域の状況については、経済状況や雇用環境等の影響を大きく受けるなど、常に変化する傾向にあるため、適宜必要な対策を行えるよう集住実態の把握を行う。
【大量移民への対応】
実施すべき施策を推進していく理由は、人口問題や労働力不足などの問題から、将来の社会情勢・政治情勢によっては、移民の大量受け入れが実現するかもしれません。
よって、将来、外国人が増えることをもっての治安上の問題などに対し、憂いのないようにしようとするものです。
関連事件
【2005年パリ郊外暴動事件】
このような暴動は、歴史的に見ればフランスだけではなく他の先進諸国でも発生しています。グローバル化が進んでいくのと同時に、多数の外国人集住地域を抱える先進諸国では、車両放火や路上強盗などの都市暴力が多発している困難地域が出現し、社会に不安を与えています。このような問題は、グローバル化が進行している日本においても他人事ではありません。今のうちから、将来を見据えた様々な対策を講じていく必要があります。