PTPS調査報告

公共車両優先システム(PTPS)の導入区間

バス優先感応制御の実施

バスの走行速度や停留所での発着を考慮した系統オフセットとすることで、バス感応制御と併せて信号停止や信号待ち時間を少なくするように路線的な制御の運用見直しを行ないました。

バス優先感応制御実施区間
稲毛駅前の流入出需要優先制御

駅前に隣接する3交差点の信号を同期させて、駅へ出入りする流動を優先したタイミングで青信号となる運用を行なっています。

稲毛駅前の流入出需要優先制御
路線系統制御の運用改善

バスの走行速度や停留所での発着を考慮した系統オフセットとすることで、バス感応制御と併せて信号停止や信号待ち時間を少なくするように路線的な制御の運用見直しを行ないました。

PTPSの導入効果

旅行時間の短縮

バスの平均旅行時間を比較すると、運用後は大幅に旅行時間が短縮されています。 対象区間内における上下方向ともに全ての曜日で短縮傾向が見られ、全体の平均では約20%の旅行時間短縮となっています。

バス平均旅行時間

区間:JR稲毛駅バス停~穴川十字路バス停(上り・下り1日平均)

定時性の確保

旅行時間が8分以内の(運行ダイヤ7分)割合を比較すると、運用後は約9割のバスが運行ダイヤに対して1分以内の遅れとなっており、バス運行の定時性が大きく向上していることがわかります。

運行ダイヤに対する定時性確保の割合

区間:JR稲毛駅バス停~穴川十字路バス停(上り・下り1日平均)

信号待ち時間と停止回数の数

対象区間における信号待ち時間の比較では、全体の平均で約30%減少しています。 また、信号停止回数は1走行当たりの平均で約1回減少しており、バスの円滑な走行が確保されています。

バス平均信号待ち時間比較

バス平均信号停止回数

区間:JR稲毛駅バス停~穴川十字路バス停(上り・下り1日平均)

バス乗車人数の増加

JR稲毛駅バス停での平均乗降客人数を比較すると、運用後は微増傾向を示しているものの、運用前との大きな変化は見られません。今後、バス走行の利便性向上が認知されるまで、一定の期間が必要と思われます。

バス平均乗車数の比較

JR稲毛駅バス停の乗降客数(調査対象バスのみ)

一般交通への影響

路線交通量

対象区間内の主要地点における路線交通量を比較すると、運用前と運用後の変動はほとんど見られず、路線交通 需要は変わらない結果となっています。

路線交通量の比較

西友ストア裏・盲人センター前・園生十字路・穴川十字路の4地点断面の合計

渋滞長時間

対象路線の主要な3交差点における全流入路合計の比較では、運用後の渋滞長時間が増加しています。特に西友ストア裏の増加が著しく、対象区間内のPTPS導入効果に対して抑制された外側地でのマイナス効果が発生しています。

渋滞長時間の比較

午前7時~午前10時、午後4時~午後7時 西友ストア裏・園生十字路・穴川十字路の全流入合計

経済効果

時間便益と走行便益

1日の調査時間帯における時間便益と走行便益から算出した経済効果は、PTPS対象路線内で1,410,831円/調査時間帯になります。また、参考として対象路線外の影響を考慮した試算では、905,539円/調査時間帯の経済効果となります。

調査結果の総括と今後の課題

評価総括

調査結果から明らかなように、PTPSの対象区間内ではバスの旅行時間が大幅に短縮されており、運用後の交通状況からバス運行の円滑化が総体的に向上していると捉えられます。

但し、一般車についても対象区間内の交通利便はバスと同様に向上する結果となっています。本来、PTPSの導入によって想定(期待)される一般車への影響は、事前と同程度か若干のマイナス効果であると考えられますが、バスと一般車の優先度合いにその差が認められる傾向は示されていません。

制御効果

事前と事後の交通状況は、バスと一般車の区別なく一様な傾向を示していることから、今回の評価対象を全てPTPSの機能による改善効果と捉えることはできません。対象路線はPTPSの運用に合わせて路線的な運用改善を行なっており、旅行時間短縮等の結果は制御効果に依存する割合が非常に高いと捉えられます。

このことは、バス感応制御を実施していない稲毛駅前~西友ストア裏の区間で最も旅行時間の短縮が図られていることにも現れています。

対象路線の課題

PTPS対象区間は片側2車線で、バス優先レーンの時間帯も設けられていますが、駐車車両の影響が大きく実質的には片側1車線しか有効利用されない傾向にあります。今後は、バス専用レーンの設置や駐車車両排除の警告システム導入等が望まれます。

調査方法の問題点

本調査ではPTPS対象区間内を調査対象としていました。しかし、PTPS導入に伴って対象路線を優先した場合には、他の方向(従道路等)への抑制による影響が発生します。PTPSの導入効果を総合的に評価するためには、マイナス効果が懸念される対象区間外の交通状況も調査対象とすることが必要と思われます。

また、導入効果の評価解析を行う上で、対象区間と周辺道路における主要な交差点の交通量調査(方向別)を行うことが望ましいと思われます。

今後のPTPS導入にあたっては、前述の課題を踏まえた上で施策検討を進めることが肝要となります。

お問い合わせ
千葉県警察本部 交通規制課  電話番号:043-201-0110 (代表)