高齢者を交通事故から守るために
令和3年4月1日現在の千葉県内の高齢者(65歳以上)人口は約172万人で、総人口約630万人に占める割合(高齢化率)は、約27パーセントに達しています。今後は更に高齢化が進み、令和7年には約30パーセントに上昇すると見込まれており、高齢化率の上昇に比例して、高齢者が関係する交通事故の増加が懸念されます。
県内の高齢者が関係する交通事故の実態を御理解いただき、交通事故に遭わないための行動をしましょう。
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1 高齢者の交通事故発生状況(平成29~令和3年)
(1) 高齢者が関係する交通事故の発生状況令和3年の交通事故発生件数、死者数及び負傷者数は共に前年とほぼ横ばいとなりました。
平成30年以降、全死傷者数及び高齢死者数ともに減少していますが、高齢死者数の構成率は増加しています。
各年ともに歩行中の死者が最も多くなっています。
※「その他」とはリヤカーや耕運機等をいいます。
全年齢層の交通事故発生件数は年々減少していましたが、昨年は増加に転じました。一方で、高齢運転者による交通事故件数はほぼ横ばいで推移したため、昨年の構成率はやや減少しました。
2 高齢者の皆さんへ
個人差はありますが、年齢を重ねると身体機能は低下します。外出するときは、交通ルールを守り、体力や体調に応じた無理のない行動を心掛けてください。
高齢者の方の交通死亡事故の特徴として、
- 歩行中、自転車乗車中の場合、自宅付近(500メートル以内)での事故が多い。
- 買い物や散歩などで昼間から夕方にかけての事故が多い。

- 通り慣れた道でも油断をせずに、外出したら車や自転車に十分注意しましょう。
- 正しい場所(歩道・路側帯・道路の右側)を歩きましょう。
- 夜間は明るい場所を選んで歩きましょう。
- 早朝や夕方、夜間の外出には明るい色の服装を心掛け、反射材を身に着けましょう。
- 反射材には、シール・キーホルダー・たすき・帽子・手提げバッグなど、日用品として使用できるものが多くあります。
- 反射材は、100円ショップ、ホームセンター等で購入できます。


過去5年間の交通事故で亡くなった歩行中の高齢者の人数と反射材の着用率


反射材を着用することにより、車の運転者に歩行者の存在を早く知らせることができるため、交通事故に遭いにくくなります。

- 道路を横断するときは、横断歩道の利用に努め、一旦止まって左右の安全を確認し、特に横断の後半は左側からの車に気をつけて渡りましょう。


- 横断歩道を利用して道路を横断するときも、手を上げる、車の運転者と目線を合わせるなどして運転者に対して横断する意思を明確に伝えるようにしましょう。

- 車の運転者の中には、歩行者がいることに気がついていない人がいます。「車が止まってくれるだろう。」と思い込むのは大変危険です。
- 駐車車両の前後や渋滞で停止している車の間からの道路横断は、車の運転者から発見されにくく、大変危険ですのでやめましょう。
- 遠回りでも信号機のある場所や横断歩道を渡りましょう。
- 斜め横断はやめましょう。
- 横断中は青信号でも車の動きに注意しましょう。
- 信号が変わりそうなときは、次の青信号まで1回待つゆとりを持ちましょう。

- 法律上は自転車も車です。
- 酒気帯び運転の禁止
- 信号無視や一時不停止の禁止
- 無灯火運転の禁止
- 自転車は、車道の左側を通行することが義務付けられていますが、児童、幼児及び70歳以上の方等は、歩道を通行することができます。ただし、歩道を通行する際は、次のことに注意しましょう。
- 歩行者の通行を妨げない
- 歩道では車道寄りを通行する
- 道路を横断するときは、横断歩道や自転車横断帯を渡りましょう。近くに横断歩道等がない場合は、道路を良く見渡せる場所で、安全を確認してから渡りましょう。
- 走行しながらの急な進路変更や道路横断は、車の運転手が予測できず、大きな事故につながりますので、絶対に行わないでください。
- 夜間、自転車に乗るときは、明るい色の服装と反射材の着用を心掛け、自転車にも反射材を付けて目立たせましょう。
- 早朝や夕方、夜間は必ずライトを点灯しましょう。


- 「千葉県自転車条例」では、子ども(高校生以下)と高齢者(65歳以上)の方が自転車に乗るときは、ヘルメット着用の努力義務が定められていますので、ヘルメットを着用するようにしましょう。
- 自転車が加害者となる事故で、高額な損害賠償を請求される事例が多く発生しています。事故を起こしてしまったときに備えて自転車保険に入りましょう。
れます。

- 乗るとき降りるときには、ドアをいきなり開けずに少し開けて一度止め、周囲の安全をよく確認してから開けましょう。
- 助手席はもちろん、後部座席でもシートベルトを正しく装着しましょう。幼児(6歳未満)を乗せる時は、必ずチャイルドシートを使用しましょう。
- 降りた車の直前や直後からの道路横断は、車の陰になり運転者から見えにくく、大変危険ですのでやめましょう。
- 加齢による身体機能の低下があるとの認識を持ちましょう!
- 動体視力、深視力などの視覚機能等の【認知能力】
- 交通状況を瞬時に的確に判断する【適応判断能力】
- 必要な動作・操作を瞬時に選択・実行する【反応能力】
また、県警では、- 雨の日は運転しない
- 運転は近所のスーパーや病院まで
- 高齢ドライバーの方は、交通安全講習会、運転適性検査等を積極的に活用して、機会があるたびに自分の身体能力をチェックし、運動能力等の低下があればそれらをカバーできる行動を心掛けましょう。

- 衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を活用した一定の運転支援機能を備え付けた車「安全運転サポート車」も検討しましょう。
- 病気や認知機能の低下等で運転を続けることに不安を感じたら、安全運転相談窓口や安全運転相談窓口( ♯ 8080【シャープ ハレバレ】)の活用、運転免許の自主返納を検討しましょう。
- 運転免許を返納した方には、公共交通機関の乗車運賃割引等の特典を受けることができる場合もあります。
- 車に高齢運転者標識(70歳以上努力義務)を付け、シートベルトを確実に装着し、目を動かすだけでなく、顔を向けたり体を使っての安全確認と安全な速度での運転をお願いします。

- 同乗される方にも、シートベルトを確実に装着させましょう。
- 夜間の運転は、距離感や速度感がつかみにくく、歩行者や自転車、標識などの見落としや、先に行けると思うなど誤った判断が多くなりがちです。早めのライトの点灯と、昼間よりも速度を落とした運転を心掛けましょう。

- いつもの道だから車は来ないだろうと思わずに、毎回、確実に自分の目で安全確認をしましょう。
- 左右の道路からの車両、左折するときの巻き込みには、特に注意が必要です。



3 車を運転する全ての方へ
道路を横断中に、交通事故に遭われる高齢者の方が増えています。高齢者の方は、歩く速度が遅くなるほか、走行してくる車両の速度や、車両との距離の判断を誤って横断する傾向があります。
横断歩道がある場所はもちろんですが、歩行者の横断が禁止されている道路や歩行者用信号が赤信号でも、横断してくる高齢歩行者等がいるかもしれないと警戒し、減速するなど、高齢者の方の動きに対応できる安全な運転を心掛けてください。
特に夜間はライトで十分に照らされていない道路右(対向車線)側にも注意を向けて、横断者がいないか注意して走行してください。
また、高齢運転者マーク等を付けた車両に対する幅寄せや割り込みは、法律で禁止されています。高齢ドライバーの方への思いやりを持った運転をお願いします。
4 御家族や御近所の皆さんへ
高齢者の交通死亡事故は、自宅近くで、早朝の散歩、通院、夕方の買物などで外出中の時間帯に多く発生しています。
身近な高齢者の方に、
- なるべく明るくなってから外出する
- 近所であっても外出したら、安全確認をしっかりする
- 道路を横断するときには横断歩道を使う
- 早朝や夕方、夜間の外出時には反射材を身に着ける
また、高齢者の方が車両を運転するときにも、皆さんから、
- 人や自転車の動きをよく確認する
- 信号機のない交差点では、徐行・一時停止をして安全確認をする
お問い合わせ |
千葉県警察本部 交通総務課 電話番号:043-201-0110 (代表) |